部会活動レポート「若手薬剤師部会の活動」

■部会活動レポート「若手薬剤師部会の活動」

若手薬剤師がSGDを重ねてあるべき薬局・薬剤師像を探り、薬局現場の意識改革と行動変容を促す

次代を担う若手薬剤師を中心に、あるべき今後の薬局・薬剤師像を探ることを目的に2018年11月に立ち上げ、4回にわたってグループ討論(SGD)を重ねてきた若手薬剤師部会の活動のあらましについて紹介する。

 

●グループ討論を通じて、あるべき姿を明確化

■第1回若手薬剤師部会(2018年11月実施、グループ3班)
〔SGDテーマ〕:① 「今の薬剤師 未来の薬剤師」 ②「◯ 年後になりたい薬剤師」
第1回は2つをテーマにSGDを実施。①では、「処方箋を持つ人だけ、薬を渡すだけ」「調剤に時間をとられて患者と向き合えない」「(業務の)評価があいまい」「かかりつけが取れない」など、薬剤師が現場で抱える悩みや課題を明らかにし、達成方法や具現化の方法は問わず、その解消された姿を未来の薬剤師として描いた。例えば「50%が電子処方箋(業務効率化が図られた薬局)」「個別対応をしている」「調剤にとらわれない」「処方箋がなくても入れる」「服薬支援にオンした形の服薬指導」「受診前の相談窓口(ファーストアクセス)」などだ。
また、②では、目指す薬剤師像を「責任」「信頼」「思いやり」「人助け」の4項目を共通認識として打ち出した班、「カッコイイ薬剤師」に集約して掲げた班(図1)など。第1回では、あるべき薬局・薬剤師像を簡潔にキーフレーズで明確にしたことの意義が大きかった。

図1

■第2回部会(2018年12月実施、グループ4班+オンライン参加)
〔SGDテーマ〕:① あなたは将来的にどのような薬局・薬剤師になりたいか ② ①の目標に対して現状はどのような状況か ③ 障害因子は何か ④ 目標に向かってのアクションプラン
第2回では薬学生が加わり、第1回よりも踏み込んだSGDが行われた。特に目指すべき薬局・薬剤師像が具現化できない理由や、アクションプランを提示したことが注目された。阻害因子では「調剤業務が忙しい」「人手不足」「知識・経験不足」「患者目線になっていない」などが挙げられ、アクションプランでは「局外に出てコミュニティ拡大、地域イベントへの参加」「やる気のある人が活躍できる環境づくり」「患者から逃げない ピンチをチャンスに」「機械でできることは機械に任せ、“人”に時間を割く」などが提示された。
質疑応答の中で、「忙しいから改善の一歩が踏み出せない」ではなく、「忙しくてもやるべきことをやる(対人業務へのシフト)」という薬剤師マインドの大切さや行動が求められる状況が到来していることが指摘された。そのための業務の機械化・AI化であり、また、対人業務は「どれだけ患者を助けられるか(役立つか)」に移行していき、経営者も現場が楽しく仕事ができる環境づくりが重要な役割になることも指摘された。

●行動変容の検証と共有化を目指して委員会活動を展開

■第3回部会(2019年2月実施 グループ4班+オンライン参加)
〔SGDテーマ〕:「少子・超高齢社会における薬局・薬剤師の責務について」
第3回は、薬局・薬剤師の法・制度上の位置づけ、時代の変化の中で求められる役割などの研修の後、少子・超高齢社会における責務についてSGDが行われた。高齢者の状態に着目して「地域包括ケアにおける健康サポートの拠点」や「在宅の重要性」、「地域活動の充実)」などを挙げた班、「コミュニケーション能力を高めてオールラウンダーな薬剤師」を掲げた班、社会保障費の収支改善への寄与を目標にして取組課題を提示した班。そのほか、マンダラチャート(目標達成のための課題設定手法)を用いて取組課題の全体像をキーワードで図示してみせた班もあった(図2)。
また、あるべき薬局・薬剤師像の現場へ落とし込みやその方策を共有するために、「お薬手帳持参促進委員会」「服薬期間中フォロー委員会」「マニフェスト作成委員会」など、各種委員会設立の意向が表明され、部会メンバーの委員会への立候補が行われた。

図2

■第4回部会(2019年4月実施、グループ6班+オンライン参加)
〔SGDテーマ〕:「かかりつけ薬局機能とは何か」
第4回は、第3回で設立された委員会担当者による活動のポイントと、「現場での実践」→「委員会での成果発表・情報共有」→「現場の実践」という活動を実践することで、患者・地域生活者に認知される(アウトカムを出す)ことの重要性が確認された。

SGDは、かかりつけ機能を重要5項目に絞って提示した。「一元管理」「24時間対応」「患者・地域住民の情報把握」「予防・未病への対応」「地域連携」が主要な機能として挙げられたが、これらに加えて、「フットワーク」や「つながり、気づき」、「提案」の機能を挙げた班もあった。