活動レポート 「薬業界について熱く語ろう会」(有志による討論会)

■活動レポート
「薬業界について熱く語ろう会」(有志による討論会)
地域で信頼される薬局づくりの第一歩とは?
をテーマに集中的に議論

2019年4月28日、「薬業界について熱く語ろう会」が東京・八重洲の会議室で開催された。「語ろう会」は次世代薬局研究会2025の吉村磯孝理事が任意に呼びかけ、所属や肩書に捉われることなく、自由に意見交換する目的で開催されたもの。当日は、薬局関係者のほか、大学教員、マスコミも交えて 18人が参集し、熱い議論が戦わされた。
「地域に信頼される薬局づくり、その第一歩を踏み出すために何すべきか」をテーマに2班に分かれたグループ討論(SGD)とまとめ発表、さらに参会者による意見表明など、薬局業界を改革すべく4時間にわたって膝を突き合わせた議論が行われた。

●信頼を得る第一歩は意識改革、誰がどのように取り組むのか
まず、次世代薬局研究会2025の藤田道男代表から、薬局業界の現状と課題について集約した問題提起があり、特に改革の課題として大きく「調剤業務の深化」「健康管理機能」「サービス業としての薬局経営」の3つを挙げた。
SGDのテーマは、「地域から信頼される薬局になるための第一歩とは?」。課題山積と分かっていても、地域の信頼獲得の第一歩として「何を成すべきか」を提示するのはそう簡単ではない。
SGDで多くの意見を占めたのは「薬局に関わる人の意識改革」で、計らずも同様の結果である。しかし、方法論的には優先順位が多少異なる。B班は経営者のリーダーシップの発揮、率先垂範(行動)によって周り(社員全員)を納得させ巻き込んでいく。経営者が変化しないと薬剤師も変わらないという観点に立って、コンセンサスを得ていく努力をするという経営者自身の意識改革が出発点になることを掲げた(発表資料はこちら)。
一方、A班が問題提起したのは患者・地域生活者が抱く「信頼」とは何かを捉えること。信頼は「私のことをわかってくれている」と患者・地域生活者から思われることから生まれる。薬剤師を“管制官”にたとえて、飛行機(患者・地域生活者)を安全に運行させる役割を持つ管制官は、情報収集と解析、また情報提供と情報発信を行う。パイロット(医師)と常に交信を保ち、適切な指示を出す。そうした前面に出ない管制官の果たしている役割になぞらえ、薬剤師の地道な活動の継続性が「信頼」を生むベースになるのではないかとした(発表資料はこちら)。

●マインドの養成につながるための地域一丸の教育・研修を
また、マニフェスト(経営者、社員、患者・地域生活者間の約束事)の作成は、両班とも第一歩を踏み出す有力な手段として位置づけ、経営者も薬剤師も事務スタッフも全員が関わり、根底にあるマインドを共有し、コンセンサスを得た組織ぐるみの行動につながるものととらえた。
さらに、組織の原点は「我々の顧客は地域住民である」との立場、あるいは「いかに患者の囲い込みを行うか」といった他機関との差別化、生き残りのためのマーケティングの発想やマインドの養成のほか、世の中をよく知る、経営指標・数値目標の設定などといった社会環境への対応の重要性も提起された。
そのほか、① 患者への寄り添い方を考える、②薬剤師の専門性に関して当然やるべきことをやる(薬剤師の責務)、② 対物から対人のために業務効率化や非薬剤師業務の見直し(投薬時間を増やす)、③薬局内外での教育・研修の充実、④ 薬剤師のシンクタンクの必要性(高次元の情報収集と国民への提供)、などが薬局業界改革のために提起された。なかでも、③ の教育・研修は、薬剤師が国・地域生活者から収入を得ているという意識を持って仕事に取り組めるような教育がポイントになるほか、専門知識やエビデンスの共有を図る意味でも、地域の薬局が一丸となった教育・研修の必要性が強調された。
会場を移しての懇親会では和気あいあいとした雰囲気の中で、懇親を深め、次回以降の開催も申し合わせて散会した。